見えない「はてな」が見える

見えない「はてな」が見える

ビジネストレーナーの安部です。大分のユーグレードで、研修プロデュースや人材育成に関するコンサルティングをしています。

 

見えないはずのものが見える・・・いやー怖いですねぇ。日常生活でそんなものがあったら、「ごめんなさい、無理です」よね。今日はそんな話ではないのですが、不思議な話をします。

 

研修講師をしていて、あるいは、講師の方の話を聞いていて、いつも不思議に思うことがあります。それは、受講者の頭の上に「はてなマーク」が浮かんでいるのが見えるということです。良くマンガで、キャラクターの上にはてなマークが描かれていますよね。あんな感じです。

 

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当然、現実に見えるわけではありません。

 

ただ、数十人から100人程度の受講者がいても、頭の上に、「はてなマーク」が浮かんでいるのが「見える」というより「感じる」のです。今、話した内容を理解していないな、ということがすぐにわかるのです。

 

現実的な話をすれば、受講者が「(。´・ω・)ん?」という表情になるのです。大人になればなるほど一瞬ですし、女性より男性の方が更に一瞬です。小学生だと「何、それ?」と声に出してくれる子がいます。低学年になればなるほど、大きな声でたくさんの児童が言ってくれます。でも、大人の男性が声を出して言ってくれることはまずありません。

 

この一瞬の表情の変化に気づく研修講師の方は、プロだと私は思っています。

 

実は表情だけでなく、頭も実際に動きます。人はわからないことがあると、ちょっとだけ首を傾げるのです。大人になればなるほど傾げる度合は小さくなります。ほんのちょっとがほんの一瞬だけ。でも、頭の動きは後ろからでもはっきりわかります。

 

何十人もの講師の方とお会いしていますが、この変化に気づく人は意外と少ないのです。見落としてしまうのです。

 

後ろから聴講していて、受講者の一瞬の頭の動きで「あ、今、はてなマークが浮かんだ」と思うのに、そのまま講師の方が話を進めていってしまうことはたくさんあります。

 

それに気づいて、サッとフォローできる人が当然います。人材育成系であれば、ワークに入る直前、IT系であれば難しい概念を説明した直後。戸惑う人が一番多く出てくるところです。

 

会社の研修担当者の方は、ぜひ、ここで、その講師の力量を見極めて欲しいと思います。

 

ワークに入った時、「何をするの?」と隣の人に聞く人が必ずいます。そんな人の数です。受講者全員が等しく講師の話を理解することはありません。プロの講師であれば、そのことは理解しており、ワークをする際は必ず何をするのかをかなり繰り返し説明します。すると、ワーク開始直後に隣とヒソヒソ話をする人がほとんどいなくなるのです。

 

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何をするの?  ここをこうするんだって・・・こんな会話、ありですか?

 

私は、たまに、このはてなマークを逆手に取ることがあります。特に聞いて欲しいことがある時に使います。

 

つまり、突然、難しいこと、あるいは、一回聞いたくらいでは理解できないようなことを大きな声で言うのです。

 

大きな声で言うので、それは大事なことだと受講者は理解しますが、言っている意味がわかりません。全員に「はてなマーク」が飛び出てきます。そのはてなマークを出す、という時は、受講者は聞く態勢に入ります。だって、わからないことですもん、知りたくなっています。それを利用して、重要なことの説明をしていくのです。

 

結構、テクニカルな話ですが、これを使うことで、最大重要な事項を理解していただけることができます。

 

このテクニックは、毎回は利用できませんが、たまに使うと効果てきめんです。

 

ただ、2時間くらいまでのセミナーや講習会では効果がありますが、学校の授業だとなかなか使うタイミングが難しくなります。話す項目が多くなるので、どれに使うのか、授業時間の中のいつ使うのか、毎回、悩みどころになるのです。

 

受講者の属性(年齢や性別、経験、職業など)が全くバラバラの場合も、難しいです。その場合は、一番下の方々にあわせる方が無難です。

 

以前、小学生とその保護者向けに話をした時は、小学生にピントを合わせます。ただ、ITの話だと、保護者の方が知らないことが多く、保護者からはてなマークがいっぱい出て、困った経験もあります。その時は「小学生のみんな、お父さん、お母さんに説明してあげて!」と言って、子ども達がYouTubeのヒカキンの説明をしてくれ、急場をしのいだ経験があります(汗)。

 

今日は講師のテクニック「はてなマーク」についてお話しましたけれど、これは一般の会社内でも使えるテクニックだと思っています。部長さんや課長さんが部下に指示を出す時、部下の頭の上に「はてなマーク」が出ていませんか?ということです。ぜひ、このマークに気づくようになって欲しいなぁ、と思います。

 

明日は、「専門用語」の取り扱いについてお話します。

 

それでは、また明日。